食品安全基礎用語解説

FSSC22000とは

FSSC22000について

 

食品安全認証財団(The Foundation for Food Safety Certification)とFSSC22000について

食品安全認証財団(FFSc)は2004年に設立されました。現在、この財団のオフィスは、、オランダのホリンヘムにあります。FSSC22000は、CIAA(EU食品・飲料産業連合)の支援を受けて食品安全認証財団(The Foundation for Food Safety Certification:FFSc)が開発したスキームです。

グローバル食品安全イニシアチブ(GFSI)によって認められている認証スキームの一つが、このFSSC22000です。この財団はHACCP食品安全システム認証制度を所有しています。非営利組織として財団は容易な運営をしておりFSSC22000のスキームを所有しライセンス契約や著作権を管理しています。その他に、食品安全基準の国際的コンプライアンスと適応性や食品安全のための認証・検査システムの開発と保守に焦点を当て、これらの食品安全システムの国際的な利用を推進しています。また、 食品安全システムの認証をサポートするためのサービスや食品安全問題に関する情報を提供しています。

FSSC 22000は、食品安全の認定のための既存の標準に基づいたシステム(ISO 22000、ISO 22003、食品分野セクターのPRPの技術仕様)のための完全な認証制度が含まれています。認定は、標準のISOガイド17021の下で認定されます。すでにISO 22000に対する認定をしている製造業者は、この認証制度を満たすために、セクターのPRPの技術仕様に対する追加レビューが必要となります。

 

FSSC 22000認証スキーム制定の背景

現在、食品安全に関する規格が数多くある中で、ISO国際規格であるISO 22000が一番広く知られています。しかしながら、ISO 22000は食品を扱う組織で幅広く利用されることを目的としたため、前提条件プログラムは、抽象的な要求事項になってしまった経緯があります。

国際標準化機構(ISO)は国際規格ISO22000: 2005やISO/TS22003を発行して、食品安全に関する要求を明確にしてきました。

しかし、グローバル食品安全イニシアチブ(GFSI)の要求によりますと、
・スキームの所有者がないこと。
・前提条件プログラム(PRP)に関する詳細な要求がないこと。
が理由で認証スキームとして承認されませんでした。

そのような中、2008年に食品製造業向けのPAS 220:2008「食品製造のための食品安全に関する前提条件プログラム」がBSI(英国規格協会)から発行され、これに着目したISOがPAS 220:2008を原案として2009年にISO/TS 22002-1を発行しました。その後、食品安全認証財団(FFSc)が「ISO 22000+PAS220 又はISO/TS22002-1+追加要求事項」としてFSSC 22000という認証スキームを開発し、食品安全の認証スキームの一つとしてGFSIにより承認されました。

尚、2012年3月16日に、BSI はPAS 220:2008を廃止しました。
このため、現在のFSSC22000認証スキームは、「ISO 22000+ISO/TS 22002-1+追加要求事項」となります。

 

FSSC22000の概要
FSSC22000 とは、Food Safety System Certification 22000 の略であり、2010年にGFSI(国際食品イニシアチブ)により食品安全の認証スキーム(枠組み)のひとつとして承認されました。

①FSSC22000の構成
FSSC22000 は、「ISO22000:2005(HACCP とISO マネジメントシステム)」+「前提条件プログラム」+「FSSC22000追加要求事項」で構成されます(図表2 − 1 参照)。

②FSSC22000(Ver.4.1)パート2:認証の要求事項
FSSC22000 の全体構成は、いくつかのパートに分かれていますが、認証の受審される組織の方に関係するところは、「パート2:認証の要求事項」です。

1.目的
1.1 食品カテゴリー及びセクター  1.2 適用分野

2.本スキーム要求事項の概要
2.1  主な構成要素
2.1.1 ISO22000
2.1.2 ISO9001
2.1.3 前提条件プログラム(PRP)
2.1.4 追加要求事項
2.1.4.1 サービスの管理、
2.1.4.2 製品表示
2.1.4.3 食品防御(フードディフェンス)
2.1.4.4 食品偽装(フードフラウド)の予防
2.1.4.5 ロゴの使用
2.1.4.6  アレルゲンの運営管理(C:食品製造、I:容器包装製造、K: 化学製品製造)
2.1.4.7  環境のモニタリング((C:食品製造、I:容器包装製造、K:化学製品製造)
2.1.4.8 製品の処方(犬猫用ペットフード)
2.1.4.9 天然資源の管理(動物生産)

③前提条件プログラム(PRP:Prerequisite Program)
FSSC22000 の前提条件プログラムは、食品製造をはじめとして、産業分野ごとに技術仕様が順次作成されています。
・食品製造:ISO/TS22002-1:2009
・食品容器包装製造:ISO/TS22002-4:2013
・動物飼料製造:ISO/TS22002-6:2016 など

④FSSC22000(Ver.4.1)パート2:認証の要求事項の変更内容
FSSC22000 の要求事項は、(Ver.3.2)から(Ver.4.1)に変更され、2018 年1月1 日より適用となりました。今回のパート2 の変更点は、追加要求事項の部分で、ISO22000 + PRP 技術仕様+ 追加要求事項の枠組みの変更はありません。


「食品防御」と「食品偽装の予防」については、「食品防御」の要求事項が明確になり、「食品偽装の予防」の要求事項が新たに追加されました。

・食品防御(フードディフェンス)
「汚染を誘導する、あらゆる形の悪意ある意図的攻撃(思想を動機とするものを含む)から食品と飲料の安全を確保するプロセス」

・食品偽装(フードフラウド)
「経済的利得のために行われる、消費者の健康に影響しうる、食品/飼料、その材料または包装、ラベル、商品情報の意図的な取り換え、追加、改ざん、不当表示、虚偽の表示、まぎらわしい表示の総称」(FSSC22000(Ver.4.1)パート0:用語の定義より)

以上のように、前提条件プログラムが強化され、食品防御・食品偽装予防・製品リコールなどの要求事項が追加されました。ISO22000 に比べ、外的要因に関してきっちり管理することで、食品安全リスクを限りなく減少させるシステムとして注目を浴びています。

FSSC22000対象製品分野と使用する前提条件プログラムの規格の関係一覧表

フードサプライチェーン・マネジメントとISO/TS22000シリーズとの関係は、下記の通りです。
食品製造からフードチェーンの領域に拡大しています。
カテゴリー サブカテゴリー 説明 食品安全 前提条件プログラム
A AI 肉/乳/卵/蜂蜜のための畜産 ISO 22000:2005 ISO/TS 22002-3:2011
AII 魚及び海産物の生産 ISO 22000:2005 ISO/TS 22002-3:2001
C CI 腐敗しやすい動物性製品の加工 ISO 22000:2005 ISO/TS 22002-1:2009
CII 腐敗しやすい植物性製品の加工 ISO 22000:2005 ISO/TS 22002-1:2009
CIII 腐敗しやすい動物性及び植物性製品の加工(混合製品) ISO 22000:2005 ISO/TS 22002-1:2009
CIV 常温保存製品の加工 ISO 22000:2005 ISO/TS 22002-1:2009
D DI 飼料の製造 ISO 22000:2005 ISO/TS 22002-6:2016
DII 犬及び猫用ペットフードの製造 ISO 22000:2005 ISO/TS 22002-1
DII 犬及び猫用以外のペットフードの製造 ISO 22000:2005 ISO/TS 22002-6:2016
E N/A ケータリング ISO 22000:2005 ISO/TS 22002-2:2013
FI FI 小売 ISO 22000:2005 BSI/PAS 221:2013
G GI 腐敗しやすい食品及び飼料の輸送
及び保管サービスの提供
ISO 22000:2005 NEN/NTA 8059:2016
GII 常温保存食品及び飼料の輸送
及び保管サービスの提供
ISO 22000:2005 NEN/NTA 8059:2016
I N/A 食品と飼料の包装,及び包装資材の製造 ISO 22000:2005 ISO/TS 22002-4:2013
K N/A (生化学)化学製品の製造 ISO 22000:2005 ISO/TS 22002-1:2009
 

ISO/TS 22002-1の要求事項

- 建物の構造と配置
- 施設及び作業区域の配置
- ユーティリティ ─ 空気、 水、 エネルギー
- 廃棄物処理
- 装置の適切性、 清掃・洗浄及び保守
- 購入材料の管理(マネジメント)
- 交差汚染の予防手段
- 清掃・洗浄及び殺菌・消毒
- 有害生物の防除 (ペストコントロール)
- 要員の衛生及び従業員のための施設
- 手直し
- 製品リコール手順
- 倉庫保管
- 製品情報及び消費者の認識
- 食品防御、 バイオビジランス及びバイオテロリズム

※ISO/TS 22002-1 英和対訳版より

 

 

FSSC22000の追加要求事項

 

2.1.4.1 サービスのマネジメント

1) フードチェーン内の組織は、食品安全に影響がある可能性があるあらゆるサービスについて、次の事項を確実にしなければならない。
a) 定期的にレビューされた指定の要求事項を保有する
b) ハザード分析を実施するために必要な範囲で当該サービスの内容が文書に規定される
c)セクターPRPに関する技術仕様の要求事項に適合した管理をされる
d) 指定の要求事項の遵守を実証していることが、評価され、承認される
e) サービスの提供者が継続的に承認の状態であることを確実にするために監視される

 

2) 上記の1)に記載されたサービスは、少なくとも下記を含まなければならない
a) ユーティリティー
b) 輸送、及び、保管
c) メンテナンス
d) 清掃・洗浄
e) アウトソースされたサービス

 

3) 組織は、製品の安全性の検証に対して決定的に重要な意味を持つ分析がなされる場合、分析が、妥当性確認された試験方法とベストプラクティスを用いた、正確で再現性のある試験結果を提供する能力を有する力量のある試験室によって実施されることを確実にするシステムを実行しなければならない。(例えば、熟練度テストプログラムへの参加、規制当局によって承認されたプログラム、または、ISO 17025のような国際規格の認定)

 
 

2.1.4.2 製品表示

組織は、最終製品が意図した販売国の適用可能な食品規制に従って表示されることを確実にしなければならない。

 
 

2.1.4.3 食品防御

 
 

2.1.4.3.1 脅威の評価

1)組織は、以下の文書化され、実施された脅威評価の手順を持たなければならない。
・潜在的な脅威を明確にする。
・管理手段の構築
・明確にされた脅威に対して優先順位をつける

 

2)脅威を明確にするために、組織は潜在的な食品防御の行為に対する製品の感受性を評価しなければならない。

 
 

2.1.4.3.2 管理手段

・組織は、明確にされた脅威を低減又は除去するための適切な管理手段を実施しなければならない。

 
 

2.1.4.3.3 計画

・全ての方針、手順、及び、記録は、全ての製品に対する組織の食品安全マネジメントシステムによって支持される食品防御計画に含まれている。
・計画は、適用可能な法令に適合していなければならない。

 
 

2.1.4.4 食品偽装の予防

 
 

2.1.4.4.1 脆弱性評価

1)組織は、以下の文書化され、実施された脆弱性評価の手順を持たなければならない
a)潜在的な脆弱性を明確にする
b)管理手段を構築する
c)明確にされた脆弱性に対して優先順位をつける

 

2)脆弱性を明確にするために、組織は潜在的な食品偽装の行為に対する製品の感受性を評価しなければならない。

 

2.1.4.4.2 管理手段

・組織は、明確にされた脆弱性を低減または除去するための適切な管理手段を実施しなければならない。
 
 

2.1.4.4.3 計画

1) すべての方針、手順、及び、記録は、すべての製品に対する組織の食品安全マネジメントシステムによって支持される食品偽装予防計画に含まれている。

 

2)計画は、適用可能な法令に適合していなければならない。

 
 

2.1.4.5 ロゴの使用

1) 認証された組織は、FSSC 22000のロゴを使用する権利がある。FSSC 22000のロゴは、以下のデザイン仕様に従って、組織の印刷物、ウェブサイト、及び、プロモーション資材で使用することができる。

 

2) 黒と白のロゴの使用は、他のすべてのテキストとイメージが白黒である場合に容認されます。

 

3) 認証された組織によって供給される、あらゆる製品、プロセス、または、サービスが、認証機関によって、認証または認可されているというあらゆる印象を避けるため、FSSC 22000ロゴは、以下の以下に使用することが認められない。

 

a) 製品
b) その表示
c) その容器包装
d) FSSC22000が製品、プロセス、または、サービスを認可していることを意味するその他のあらゆる方法

 
 

2.1.4.6 アレルゲンのマネジメント (C;食品製造、I;容器包装製造、K;化学製品製造)

 

1) 文書化されたアレルゲンのマネジメントの計画は、以下を含めて実施できるようにしておかなければならない
a) 潜在的なアレルゲンの交差汚染に対するリスクアセスメント
b) 交差汚染のリスクの低減または除去のための管理手段
c) 効果的な実施の妥当性確認及び検証

 

2) 意図的又は潜在的にアレルギーを起こす物質を含むすべての最終製品は、生産国、及び、行き先国のアレルゲン表示の規制に従って表示される。

 
 

2.1.4.7 環境のモニタリング (C;食品製造、I;容器包装製造、K;化学製品製造)

組織は、環境のモニタリングプログラムが、ISO 22000に記述された検証の要求事項に適合した清掃・洗浄及び殺菌・消毒プログラムの有効性の検証が実施できることを確実にしなければならない。

 
 

2.1.4.8 製品の処方(カテゴリーDII、犬、猫用ペットフードのみ)

1) 犬及び猫用の複合ペットフードは、その製品の意図する用途に適合するように配合しなければならない。

 

2) 配合は手順通りに実行し、動物の健康に悪影響をもたらしうる栄養素を含む材料の使用を管理しなければならない。

 

2.1.4.9 天然資源の管理(カテゴリーA。動物生産のみ)

1) 組織(畜産農業者)は、a) 畜産から生ずる以下の両方に対する危険を特定する。


i) 動物の健康、
および
ii) 公衆衛生。

 

b) 畜産事業所が使用する自然資源(水、土壌などで、動物に与えられる水、灌漑用の水、事業者の動物に与えるための飼料の事業所における生産など)に由来するこれらの危険がもたらす危害要因を評価する。
公衆衛生と動物の健康を保護するための適切な管理対策を実行する

 

FSSC22000認証取得するメリット

・PRPの要求事項がより広く詳細になっているため、確実な管理ができるようになることから企業の信頼性が高くなる

・高いレベルでの食品安全マネジメントシステム運用が実際に維持できていることから企業のイメージアップに繋がる

・FSSC22000により更に取引先とのコミュニケーションが容易になり、二社監査の軽減が期待できる

・詳細な問題が自己管理で明確になることから、リスク管理の対象が広がり、より確実なシステム運用となる。

・個々の問題点の検出力の強化により、社員への教育機会の改善に役立ち、タイムリーな教育システムが期待できる。

 

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