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良い食品安全衛生コンサルタントの選び方

山口フードコンサルティングについて

良い食品安全衛生コンサルタントの選び方

コンサルタントの良し悪しは、コンサルタントに何を期待するか、依頼主の目的によって変わります。
・ISOに初めて取り組むが、知識が全くないため、傍で教えて欲しい。
・自分たちのシステムの構築や運用の取り組みが正しい方向に進んでいるか、確認して指南して欲しい。
・要求事項に対してどこまでやるべきかが分からないので、指導して欲しい。など、ほとんどの会社が、上記のような思いからコンサルタントを依頼します。そこで、これらのニーズにお応えできるコンサルタントの要件をご説明します。

1.ISO9001やISO22000またはFSSC22000の現役の審査員であること
ISOは、マネジメントシステムの要求事項を規定しているものです。規格で要求されていることは文章になっていますから、どの程度の必要性があるかは明確です。要求事項に対して適合の状態であればそれ以上要求されることはありません。また、ここで要求されていることの本質的な意図(目的)や狙いが分かる人は、この規格の審査を実際に行っている審査員に他なりません。
ISO22000やFSSC22000の規格は、ISO9001の良い要素を取り入れた規格ですので、マネジメントシステムの基本であるISO9001の規格を充分理解して審査をしている必要があります。ほとんどのISO22000またはFSSC22000の審査員は、ISO9001の審査も可能である理由がここにあります。
2.ISO9001やISO22000またはFSSC22000の規格に忠実であること
まず、関連する参考書やコンサルタントの解説書は、ほとんど必要ありません。
ISO9001やISO22000またはFSSC22000の規格は、文章になっており出版されています。この規格をよく読み込んで、何が要求されているかを正確に把握することが重要です。ただし、実際に規格を読んでみますと、何を言っているのかよく理解できないのが普通です。そこで、会社内の実情と照らし合わせてから読むことが重要になります。ほとんどのコンサルタントは、最初のステップとして、「現状の把握」に1日から数日をかけ、文書や記録類を見ます。しかし実際は、コンサルタントがこれらを見てもあまり役に立ちません。なぜなら正しい「現状の把握」とは、実際に存在する文書や記録、そして活動している内容を整理して、規格が要求して
いることと照合することだからです。これには時間がかかりますが、この作業が基本です。この作業は、組織の方がやらないと意味がありません。コンサルタント任せにしていたのでは、いつまでも現状を把握することはできないのです。
組織の方が現状の把握に取り組み、具体的な実態が少しでも見えてくると、それまで規格をただ読んでいたことに深みが出ます。それからも何回も読むことです。

「コンサルタント自らが、御社の仕組みを作成します」という申し出は、その時はありがたく感じるかもしれません。しかしこれは、今後長く運用していくマネジメントの仕組みを外注するのと同じですから、避けなければなりません。
「一緒に考えてあげますよ」というコンサルタントも、あまり感心できません。なぜなら、依頼主に考える力や検討できる力をつけてもらうのが、コンサルタントの重要な役割だからです。また、すぐに「How to~」を示すコンサルタントは、要求事項が求めるものを具現化してしまうわけですから、企業が決めるべき内容の選択肢を狭めてしまいます。その前に、要求事項がなぜあるのかを説明できるコンサルタントが望ましいといえるでしょう。つまり、良いコンサルタントとは、何を求めているのか、これを守らないとどのようなことが起きる可能性があるのかを理解し、説明できるコンサルタントです。むしろ、「What to~」「Why to~」の要素が大事なのです。

3.製造や品質管理やマネジメントの実務を長く経験していること
ISO9001やISO22000またはFSSC22000は、現場での物づくりが基本の規格ですから、文書や記録の作り方ではなく、現場での管理方法が要求されます。「どのような方法でハザードを管理するか」により、いかに食品の安全を担保していくかということが主体ですから、製造現場に精通していることが最も重要です。
ですから、コンサルタントの職歴にある専門性を確認することが大事になります。専門性がないコンサルタントは、文書や記録の作り方と仕組みの考え方の説明に終始するものです。製造工程図を片手に現場に行って瞬時にハザード分析ができる方が本物です。分析結果と組織が作成した仕組みを比較して、妥当かどうかを判定できなければ、コンサルティングの内容は、実効性があるとはあまり言えません。
過去のISO審査を通じて経験したことですが、失敗した会社のほとんどが、この製造現場の未経験者のコンサルタントを選ばれていました。ひどいケースでは、マニュアルのテンプレートを依頼主に提供するありさまでした。
逆に、会社組織内でマネジメントの原理原則を実践で学ばれてきた方は、成功と失敗を経験していますから、コンサルティングの内容に説得力があります。契約する前に製造現場を確認して頂くことが必要ですので、この方に「どのようなハザードがあるか。どのような管理手段が有効か」を何気なく聞いてみることも判断の参考になるかもしれません。
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4.国内の食品に関する規制や法律を理解していること
この規格には、さまざまな条項に法律や規制当局に関する要求事項が出てきます。したがって、コンサルタントは、食品に関する法律を良く理解していることが望ましいです。もしも、分からないことがあった場合に、調べる力を持っていることも重要です。
5.組織の方とのコミュニケーション能力が高いこと
実際に会ってみないと分からないことですが、どれだけ多くの経験を持ったコンサルタントでも、コミュニケーション上の相性というものがあります。コミュニケーションが上手くいかないと、お互いに理解し合えず、あまり良い結果を生み出させない場合が少なくありません。
6.内部監査の能力を備えて頂くための支援が出来ること
構築と運用の支援ができるコンサルタントは多くいますが、内部監査の支援ができるコンサルタントは、多いとは言えません。しかし、内部監査は組織内で実施していくことが不可欠ですから、内部監査の手ほどきとコツも支援できるコンサルタントが望ましいでしょう。
実際の段取りとしては、初回の審査前に内部監査員を養成するわけですが、内部監査員が思うような指摘が出来るようになるまでには正直時間がかかります。そこで、内部監査員は継続的にスキルアップしていくことが大事になります。これを考慮すると、内部監査員の養成支援は、構築中の限定された期間に必ず必要なことではないかもしれませんが、長くマネジメントシステムを効果的に運用していくには、この要素もコンサルタント選びの重要なファクターといえるでしょう。
7.コストを決め手にしないこと
ここからは依頼主側のことになりますが、コストの高低による判断は、間違ったコンサルタントを選ぶ傾向が強くなります。一般的に、費用が安いコンサルタントは内容もそれなりで、とおりいっぺん以上のニーズにも応えようとしないものです。話をしていて熱意を感じられないとしたら、コスト第一で選んだコンサルタントかもしれません。
また、会社組織に属しているコンサルタントは、経営の経費が必要になるぶん割高です。小回りや融通もなかなかききません。高いコンサルタント会社に依頼した場合でも、価格の差ほど効果の差があるわけではありません。なぜなら要求事項は明確になっており、それ以上でもそれ以下でもないからです。費用対効果は、期待できるものではありません。
ちなみに、信頼できるコンサルタントは、あまり人を使わず自分自身で動くことが多いものです。
8.実績の数だけを判断材料にしないこと
実績を高らかに謳っているコンサルタント会社は、内容を精査して判断することをお勧めします。なぜなら、「実績」はあくまでも手がけた数であり、成功した数や組織に役に立っている数とは違っている場合が多いからです。
組織のニーズに合わせることは、実態をよく観察したり、じっくりヒアリングすることが重要になります。つまりは、現場の経験と監査の経験が大事なのです。数を多くこなしているということは、もしかすると、観察やヒアリングにあまり時間をかけていないのかもしれません。
9.eラーニングやリモートコンサルに対応していること
新型コロナウィルスの蔓延により、対面コンサルティングや集合研修が困難な状況となり、食品安全衛生の認証取得や、食品安全レベル向上の取り組みが、多くの食品関連会社で停滞しています。しかし食品安全への組織的な対応は、新型コロナウィルスの蔓延により低下したわけではなく、むしろ高まっています。アフターコロナの世界では、体制構築への需要が一気に高まると予測されます。各社の対応が停滞しているいまこそ、内部体制整備の絶好の好機ではないでしょうか。
とはいえ、リモートによる指導で理解や実践のレベルが低下してしまっては本末転倒です。新型コロナウィルスの終息が見えていない状況と、終息後のニューノーマルなコミュニケーションをふまえ、コンサルタントにはオンラインによる指導や研修の効果をあげるノウハウが求められます。

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